今日の講師は仙台市教育委員会文化財課文化財主事の沼田愛先生です。
先生は仙台市に生まれ育ち、大学で民族学を学ばれた後、地元の生活史を学ぶ傍らお祭りに参加するなど暮らしに密着し、現在文化財課では民俗文化財を担当しています。

はじめに 伝統芸能をめぐる用語について

伝統芸能をめぐる用語

図のように「伝統芸能」と「郷土芸能」は文化財保護法では、無形文化財と民俗文化財とに名称が分かれていることを前提に話が進められました。無形文化財は人間国宝などどちらかというとプロと呼ばれる人で、民俗文化財はアマチュアでしょうか。

仙台藩における芸能① 

伝統芸能のうち武家の間で発展してきたのは、たしなみとして或いは外交手段として初代政宗が好んだ「能」でした。

仙台藩における芸能②

一方城下町では、特定の神事祭礼場での公の興行は、芝居、相撲、小見世物で、六ヶ所御神事場で許されていました。

仙台藩における芸能③

他方農村では~。農業に専念することを基本とし風俗統制の一環として基本的には禁止されてきたが、禁止ばかりでは逆効果と考え18世紀半ばから一部許可制で緩和された。そして近世末には村々の祭礼などで素人歌舞伎や相撲が定着していった。
仙台市の民俗芸能としては、
 1 大崎八幡の能神楽
 2 田植踊 ー 小正月に今年の豊作を祈って
 3 剣舞(けんばい)
 4 鹿踊(ししおどり)ー 仙台では8月に上記3と共に一対で行われている

民俗芸能の特徴 

1 いつやるか・季節(時)、場所は(舞台)、俳優、観客、台本などに制約がある。
2 俳優(演者)

  ・芸能の非専業者である。
  ・本戸主、宗教的な役割の家、長子など一定の条件を満たすと認められたものがお多い。
3 「保存会」などで続けることで地域の歴史を背負うことにより伝統文化となっていく。

近世における展開  (👆マークの写真はクリックにより拡大されます

1724年以前は、不明なことが多いが18世紀前半から、田植、獅子躍り、けんばいなどがすでに定着していた。
19世紀半ばから、田植踊がバリエーション豊かになってきた。
(早乙女→大田植 馬乗り田植 大黒田植 米搗田植 はねこ田植 独り田植 福太郎 案山子 かせとり)

仙台の田植踊は近世期に城下町で演じられたもので、他に類を見ない華やかさを持っていること、暮らしの中で親しまれ豊作を願う切実な気持ちが現れているとのこと。是非皆さんも機会があったら見てほしい。そして演じた人に惜しみない拍手を贈って欲しい。拍手が好きでなによりのエネルギーになるとのことでした。