10/29 仙台の海と世界の海~地球温暖化と海

本日の講師は東北大学大学院理学研究科教授 須賀 利雄 先生です。

須賀教授

先生は昭和60年(1985)東北大学理学部を卒業され、現在は東北大学大学院理学研究科教授をされながら、文部科学省 日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会調査委員や気象庁・気候変動に関する懇談会評価検討部会委員、日本海洋学会 海洋教育問題研究会 研究会会長などを兼任されています。

本日のテーマは「仙台の海と世界の海~地球温暖化と海」です。

本日のお話の内容

1. 海の流れと温度、海の恵み

一番身近な仙台の海の流れから、お話を始められました。仙台湾の外は太平洋で沖合を親潮が流れている。親潮は冷水を北から運び、南の海と大気を冷まし、黒潮は暖水を南から運び北の海の大気を温める。親潮は栄養塩に富み、植物プランクトンの増殖を支える。黒潮は南の海で生まれた多種の魚を運ぶ。親潮と黒潮のぶつかる三陸沖は豊かな漁場となる、との説明がありました。

そして、その海の流れは地球規模で行われ、その原因は偏西風や貿易風など大気が影響していること、その風が吹く原因まで展開していきました。太陽からの熱で地球が温められ、地球の自転によりコリオリの力が働き、北半球では右に、南半球では左に曲がって風が起きる、と話されました。

2.地球温暖化:地球がため込んだ
熱はどこへ

次に、地球温暖化の話に移っていきました。世界の年平均気温は100年あたり0.73℃上がっており、その原因が二酸化炭素であること、そのことにより、地球に熱がたまりつつあること、その熱の実に91%を海が吸収することにより気温の上昇を和らげてきた、と説明されました。しかし、その一つの結果がさんまの不漁や一昨年の台風19号の大きな被害につながっていること。海面水位の上昇は地球温暖化に伴う過剰な熱を海が吸収したためであり、それは今後も続くと予想されることもお話しいただきました。

最後に人間活動に伴う炭素の排出は海の温度上昇、酸性化、貧酸素化をもたらした。さらに、栄養塩循環と基礎生産も変化させているという証拠がある。これらの変化は気象・海象や海の生態系に影響を与え、災害のリスクを高め、食糧確保を危うくするなど、私たちの生命・暮らしに大きな影響を及ぼしているが、今後、数十年にわたりこれらの影響は大きくなると予測されており、変化へ適応するための行動・対策が求められる。また、脱炭素化社会を目指し、変化をできるだけ緩やかにすることで、適応するための時間を確保することができる、とまとめられました。

※本日の出席者は 273名でした。