12/9 震災は忘れないうちにやってくる

天災は忘れないうちにやってくるー東日本大震災を振り返る

講師:東北大学災害科学国際研究所 所長 今村文彦 教授

 今回の先生はテレビなどにもたびたび登場し活躍している東北大学の今村文彦先生です。先生は自己紹介の中で海なし県である山梨県のご出身を明らかにし、大学4年(1983年)の日本海中部地震がきっかけだった旨をお話しくださいました。そのうえで大震災から9年が経過したなかで、東日本大震災が巨大津波や原発事故が加わった複合災害であったことをもとに、被害実態や教訓整理、研究活動、地震や津波のメカニズムを災害科学の深化と実践的防災学の展開として位置づけ、風化を防ぐために震災の経験と教訓を伝承する取り組みを紹介していただきました

1 津波を知ること

 地球は生きており45億年の歴史があること、内部に莫大な熱エネルギーを持っていること、地表面は冷めていることを紹介し、動かない陸地と海の関係にひずみが生じ、耐えられなくなった状態から津波が発生するメカニズムを教えていただきました。

2 続いて過去の津波を知ること

 津波の発生原因として、海底噴火や地滑り、隕石などをお話の上で、1611年からほぼ80年に一回の確率で東日本で地震が発生し被害が出ていること、さらに海外では漁師が見ていた1958年アラスカのリツヤ湾で発生した地滑りによる津波は524mの高さになったことも紹介いただきました。

3 震災の経験と教訓を未来に

 東日本大震災の被災地にある被災の実情や教訓を学ぶための遺構や展示施設がたくさんあり、学びや備えに関する取り組み事業の紹介がありました。「3.11伝承ロード推進機構」について学ぶことで助かる“いのち”があることを知ってもらうことの重要性を強調されました

4 東日本大震災の教訓

 まずは命を守ることの重要性、地震はわが国の宿命であり,忘れない学ぶことの重要性を話され、そのことにより行動が冷静になり適切になることを教えていただきました。

 

 むずかしい話を分かりやすく話された内容は実情とともに教訓に富み、あっという間の講習時間でした。

 本日の出席者は286名でした。