3月26日 令和6年度 仙台明治青年大学修了・閉講式

日時 令和7年3月26日(水)10:00~
会場 太白区文化センター 2階 楽楽楽ホール

式 次 第

修 礼
1 国歌斉唱       (伴奏:CD)
2 修了証書授与     57期生 48名読上げ 代表者受納
3 栄誉賞贈呈      48期生 32名読上げ 代表者受納
4 功労賞贈呈      受賞者受納
5 学事報告       運営委員長 諏訪部哲司
6 学長式辞       学長 天野 元
7 修了生答辞      57期生代表 齋藤興一
8 栄誉賞謝辞      48期生代表 昆野孝男
9 功労賞謝辞      受賞者代表 50期 廣瀬 博
10 校歌斉唱       (伴奏:CD)
修 礼

 

 記 念 講 演 会

講師紹介
仙台市教育委員会文化財課仙台城史跡調査室
室長 関根章義 先

略 歴
*平成24年に仙台市に入庁し文化財課に配属される。
*文化財専門職として、被災した仙台城跡の石垣復旧業務を災害復旧事業が終了する平成28年まで担当した。
*平成29~30年度まで熊本市へ派遣され、熊本地震で被災した熊本城跡の石垣復旧業務に従事した。
*平成31年度からは、仙台城跡の史跡整備や発掘調査業務などに従事し、令和5年度から仙台城史跡調査室長として、史跡仙台城跡の保護や活用、整備に従事している。

演題 「発掘調査でわかった仙台城跡」

はじめに
 仙台城跡の発掘調査は、昭和48年(1973)の二の丸跡の調査に始まり、これまでに東北大学や仙台市教育委員会により、施設の建築や史跡の整備などに伴って行われてきた。こういった調査の成果は報告書や各種講座、パンフレットなどで触れられてきたが、今回はその中でも特筆される調査結果について触れる。

赤い範囲が史跡指定、黄色が指定を目指している

1.仙台城跡の概要                            

 仙台市街地西方の青葉山丘陵の段丘上に造られた城郭である。主に本丸と、その麓の二の丸と東丸で構成される。慶長7年(1602)には一応の完成をみたとされ、築城当初は本丸と東丸が主な曲輪として機能し、二の丸は子息の屋敷地として使用されていたと考えられる。現在は、大手門跡の北側にある土塀や再建された脇櫓以外に建造物はないが、石垣や土塁、塀などが残っており、近世を代表する城跡として平成15年(2003)に国の史跡に指定されている。

清水門の石垣(現存)から左へ行くと酒造屋敷跡、右上が清水門の位置

2.造酒屋敷跡について               

 造酒屋敷跡は、仙台城内で酒造りを行っていた場所であり、巽門西側に広がる曲輪である。発掘調査によって、酒造りで使用されるカマド跡が見つかった。カマド跡は米を蒸すために使用されたと考えられる。遺物では搾った酒を受ける備前焼の大甕や酒を入れる樽などの木製品が出土した。これらのことから、実際にこの場所で酒造りが行われていたことが明らかになった。

 

3.舶載品について                            

本丸跡からの出土品の数々

 仙台城跡の発掘調査では、国外から将来された遺物(舶載品)が出土している。特に本丸跡からの出土が多く、国外産の陶磁器だけでなく、ヨーロッパ産のガラス製品も出土していることが特筆される。また、同じ時期の他の遺跡と比較すると、全国的にも希少なヨーロッパ産ガラス製品が、仙台城跡では特に多く出土していることが明らかになった。

おわりに
 仙台城跡は、今回紹介した二つの調査結果からだけでも、特異な城郭であることがうかがえる。しかしながら、仙台城跡についての調査研究はまだまだ不十分なところが多く、明らかになっていないことが残されている。
そのため、今後の調査研究の進展により、新たな事実が明らかになることが期待される城郭である。

 

*本日は我々にとって、身近な仙台城の歴史について、改めて考える貴重な機会となりました。

*本日の出席者数は553名でした。