5/10 秋保ワイナリーの目指す地域おこし「テロワージュ東北」の取組

 本日の学習は、株式会社仙台秋保醸造所 代表取締役 毛利 親房先生を講師に迎え、『秋保ワイナリーの目指す地域おこし「テロワージュ東北」の取組』と題し秋保の魅力とワイン産業について講演をいただきました。

講師紹介
  株式会社仙台秋保醸造所 代表取締役
    毛利 親房(モウリ チカフサ)先生

平成  3年  3月 日本大学理工学部 建築学科 卒業
平成  3年  4月 前田建設工業株式会社 本店建築設計部 入社
平成14年  7月 退職
平成15年10月 株式会社山下設計 東北支社 入社
平成26年  7月 山下設計 退社
平成26年  3月 
株式会社仙台秋保醸造所 設立(代表取締)現在に至る
平成29年  7月 株式会社秋保ツーリズムファクトリー 取締役
令和元年     テロワージュ東北 実行委員会会長
県立宮城大学、東北文化学園大学 非常勤講師

1.東日本大震災とワイナリー

 大学で建築を学び、2014年7月まで仙台の設計事務所に勤務、自身が設計を担当した建物が東日本大震災の津波により流出。当時共にプロジェクトに関わった多くの方々が被災した。
 有志で、いくつかの復興提案を作成する。その中の一つが津波で途絶えた宮城県のワイン産業の復活とワインと食のマリアージュを通じた食・生産者を応援するプロジェクトであった。いくつかの被災自治体に提案するも、ぶどう栽培やワインの造り文化が少ないこともあり復興計画に組み込まれることはなかった。
 復興への強い思いとワイン造りが多くの産業と融合し引き立てる力があることを確信していたため、自らワイナリー立ち上げを決意。
 現在は高品質の葡萄の栽培、ワイン醸造のほか担い手育成、食のPR、ツーリズム「テロワージュ東北」に取り組んでいる。

2. 秋保ワイナリーについて

・2015年12月に震災後宮城県初のワイナリーとしてオープン
・ワイン産業の持つ力を活かし、人・食・文化・産業をつなぎ育んでいくことを目指し、日々ぶどう栽培、ワイン醸造、担い手育成、地域振興、ツーリズムに取り組んでいる。
・秋保温泉郷の中に秋保ワイナリーがあり、ワイナリーとブドウ畑は、南北を山に挟まれた谷間の南斜面にあり、すぐ傍の渓谷には名取川が流れ、秋保の谷と川に流れる涼やかな風は、夏の間も畑の畝間を吹き抜け、この涼風は猛暑時の湿気を飛ばし、果実を冷やし、酸味を保ったままブドウを完熟させる天の恩恵となっている。

3.ワイン産業の可能性

秋保ワイナリー

『ワインには力がある』
・人と人、人と地域、地域と地域をつなぐ力
・農業、産業、観光など多様な産業をつなぎ、はぐくむ力
・食、工芸、音楽など多様な文化と融和し、引き立てる力

 

4.秋保ワイナリーのめざすもの

・宮城の食・工芸・芸術との連携による新たな価値の創造
・マリアージュを通じた食や工芸品のPR
・ワインを通じた食材王国みやぎならではのツーリズムやイベントの醸成(テロワージュ東北、秋保クラフトバレー構想)
・宮城県のワイン産地の形成と担い手の育成
・高品質なぶどう栽培とワインの生産

5.「テロワージュ東北」の紹介

・テロワージュとは
 気候風土と人の営みを表す「テロワール」と食と酒のペアリング、結婚を意味する「マリアージュ」を掛け合わせた造語
 ※東北の人+食+風景+文化の協奏による新しい感動体験
・「テロワージュ東北」のミッション

 東北各地の魅力をテロワージュを通して

おわりに

 私は、酒を飲めません。ワイナリーを始めたきっかけは東日本大震災、辛いことは沢山ありましたが多くの人と出会い震災をばねにみんなと一緒に地域を良くしていきたいと思っている。
いつか全国の孫世代に、お爺さんは震災大変だったね、どうゆうことだったのか、どうゆうことを学んだのと聞かれたら、「みんなと力を合わせ頑張れるようにになった」ことだよと伝えたい。と話され講演を終えられました。

※近年の主な受賞歴
・ジャパンワイナリーアワード2021 ユニサーズワイナリー賞
・第51回 日本農業賞 食の架け橋部門 優秀賞
・米国 Great Lakes International Cider and Perry Competition(GLINTCAP) Bronz Prize
・日本ワインコンクール2022 銀賞(甲州)、銅賞(シャルドネ)
・ジャパンワイナリーアワード2022 ユニサーズワイナリー賞

  《本日の出席者は498名でした》