7/10 残しておきたいおらほの言葉

 仙台弁をこよなく愛し、いずいを全国に広げる会の会長、元東北放送アナウンサーの藤沢智子先生をお招きし、「残しておきたいおらほの言葉」と題した仙台弁についてのご講演をいただきました。

講師紹介

フリーアナウンサー 藤沢智子(ふじさわ  ともこ先生

2010年 東北放送 アナウンス部長
2015年 ラジオ局長兼アナウンス部長
 同年   6月取締役ラジオ局長
2020年 取締役
2021年 tbcAz株式会社 代表取締役
2024年 代表  →フリーに

なぜ私が方言なの

 先輩と肩を並べて長くアナウンサーをしていくための居場所を見つけるにはどうしたらいいかと考えていた。ワイド番組、ラジオカーを担当することとなり、企画会議で10分ほどのメインコーナーの「初級仙台弁講座」を考える。支店都市と言われる仙台で、転勤してきた方や家族への仙台弁のワンポイントレッスン。発声練習・単語の勉強・例文の練習で、これが人気であった。

どんなことがあったのか。とても感動的な数々

 仙台弁は藩政時代の仙台藩領域で庶民が使っていた仙台藩の言葉がもとになった方言。アナウンサーはきれいな言葉を話すが、仙台弁を話すと面白がる。転勤族に仙台弁を教えていたことで、仙台弁を使っている人たちの反響、アナウンサーとしての認知度のアップ、特技となりドラマの方言指導などもあり、聴いている人がみな親戚みたいになったと思われる出会いがあった。一つひとつ言葉には、何とも言えない味わいやクスッと笑える温かみがある。

仙台弁と一口で言っても

 ひと口に仙台弁といっても県南と県北、沿岸部と内陸部と県内でも発音やイントネーションは微妙に違う。方言はその地域の環境やライフスタイル、生業、風土が違えば言葉も変わる。言葉は生活とともにあり、仙台弁は暮らしの中で残ってきて、一つひとつキラキラしている。

具体的に仙台弁を見てみましょう

  仙台弁のルーツはさまざまで、古文、江戸語、生活から生まれた言葉。宮城県の代表的な方言とされる「いずい」は、「きゅうくつ」「しっくりこない」など気持ち悪い、何かしらしっくりこない言葉として使われますが、標準語で説明するのは難しい。着心地が悪い、目がゴロゴロする、靴の中に何かが入っているなど。私は「いずい」を全国に広める会に会長、もっともっと仙台弁を知って欲しい。上から読んでも下から読んでも一緒です。「いずい」という言葉を聴いてふるさとを思い出す。話が出会いにつながるので、会話を楽しむきっかけにしてもらいたい。

覚えて楽しい仙台弁

  方言の「なにすや」はリズミカルででクスッと笑えてお互いの人間関係がスムーズになる。「いっそ」「うそばっかり」を上手に使っていたらありがたい。コミュニケーションにおいて最も影響度が大きいのは、面と向かって話す内容・声の調子など視覚から入ってくる情報の第一印象です。文字情報は忘れるが、きちんと面と向かって話す方が微妙な感情を伝えられ忘れない。

もっと言葉を愛しましょう

 先生はおらほの言葉、仙台弁を使うことにより子供達からお年寄りまで、楽しい会話で豊かなコミュニケーションを築きましょうと、仙台弁の「いずい」の普及に努めています。よその人にチンプンカンプンな言葉ですが、絶妙な意味合いを含んだ言葉でもあります。方言の良さ、価値を分かっていくことから学びを広げ深めていきたいものですと、覚えて楽しい・方言豊かな言葉の解説で仙台弁の紹介もありました。

 

 宮城県を中心に使われる方言「仙台弁」。地元の人は共通語だと思って使っていても、初めて仙台に移り住んだ人には通じない言葉もあります。故郷や昔を思い出しあっという間の時間でした。

本日の出席者は545名でした。