3/9 震災から10年~千年の森をめぐって
本日は杜の防波堤協会理事長で輪王寺住職、日置道隆先生を招き、「震災から10年~千年の森をめぐって」サブタイトル―命を守る植樹活動を国家事業にしよう!!ーについて、先生が20年以上に亘り、国内外で植樹活動を続けた貴重な経験と豊富な知識、洞察力に基づいたお話をされ、時々皆さんの笑い声を交えるなど、楽しくお聞きすることが出来ました。
講師紹介
昭和37年1月14日仙台市に生まれる
昭和60年駒澤大学仏教学部仏経科卒業 大本山永平寺に安居一年半修行現在第44曹洞宗輪王寺住職
平成23年8月1日~「いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会」会長
平成27年4月1日~「一般社団法人 森の防潮堤教会」理事長 平成24年~岩沼市において「千年希望の丘構想」に従事
河北新報の「座標」に仏教者からみた物心両面における植樹活動の大切さや「森の防潮堤」と仏教そして経済とのかかわりについて10回投稿
世界に「森の防潮堤」を認識してもらうため映像を制作、スティービー国際賞の安全保障PR映像部門にて3回ゴールド賞受賞
■植樹活動のきっかけ
2002年頃、仙台市が輪王寺山門から本堂までの100mある参道地下を横切るトンネル工事のため、杉木550本の伐採を決定。伐採地の森を再生するために研究をし、「植物と人間(NHK出版)【著者:故宮脇昭横浜国立大学名誉教授】に出会い、生態学的知見による森づくりに興味を持つ。
■宮脇昭先生との出会
2004年から宮脇昭先生の指導もと輪王寺内の「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」の活動を6年間行ってきた。その結果境内に植えられた約65種類の土地本来の木々が3万2000本を数え、今現在自然林に近い多様性ある森へと成長しつつある。
■キャラクター「植樹マン」の誕生
宮脇先生と出会って、宮脇先生が指導する各地の植樹際に参加。また「いのちの森」の大切さを伝えるためにキャラクター
「植樹マン」を誕生させ、各地で寸劇や戦隊ショーの公演行った。
■東日本大震災の発生(2011.3.11)
2011年4月初旬に宮脇先生から電話があり、津波被災地を訪れて生態学的見地から木々の調査を行ったところ海岸線に単植林で植えられた松林70~80%が飛砂や潮風に耐えることが出来ずなぎ倒されていた。しかし南三陸町の荒浜の向いにある野生のタブノキ林は、大きな傷を負いながら耐え抜いたのを発見して、大いに感動を覚えたと語られました。
宮脇先生の言葉「本物の森は、高い木、中ぐらいの木、低い木が多層群落を形成し、お互いにいがみ合い競争しながら共に生きている。多様性こそが自然の一番強い状態であり、そのような森こそが丈夫で長生きする」
■天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)来訪
■「森の防潮堤」構想の提案
宮脇先生は被災地調査後すぐに「森の防潮堤」構想を提案、地元の海岸に適した色々な種類の木々を植樹することによって多層群落の森を形成し、私たちの生命と財産と心を守る構想を立ち上げました。
■防潮堤が「千年希望の丘」として完成
東日本大震災から10年を経て岩沼市で「千年森の丘」構想が完成する。これは宮脇先生からの未来への大きなプレゼントとなりました。宮脇先生は2021年7月16日に安らかに永眠されました。
■正しい経済とお金の仕組み
コロナ渦にあって「お金と経済の仕組みを」理解していないが故に、「経世済民(世を治め苦しみから民を救う)を実践できなかった政府をみてがっがりされたと話されました。
■日本の経済の現状
私たちはこの現状を踏まえて、真実を知るためにも「正しいお金と経済のしくみ」を学ばなければならないのです。と強調されました。
最後に今年は歴史的転機の一年となるでしょう。希望をもって学び、一歩一歩正しい縁を未来につなげましょう!とお話しされ、講義を締めくくりました。
日置先生、誠に貴重なお話ありがとうございました。
本日の出席者数は478名でした。