1/31 学びの時代のはじまり ~江戸の庶民と学び~

今日学習の講師は
東北大学大学院教育学研究科 八鍬友広(やくわともひろ)教授です。

 先生は山形県新庄市の出身で新潟大学教授を歴任し、2012年から、
 東北大学院教育学教授に就任。

先生は、多趣味の中で、短歌も詠まれてるいるので、始めにお気に入りの2句の紹介から、学習のスタート
・写真屋が付録に呉れるアルバムの表紙の猫が一番のでき
・左右二合のコメの水の嵩指したる位置のいつも違いで

さて、今日の学習テーマを教育の面から【江戸時代】をどうみるかというと
・長く続いた平和 - 国内及び外国との戦争はなかった
・江戸時代前期は高度成長期 - 人口が2~3倍に
・学問・教育の庶民への普及 - 命令でなく学問意欲が庶民にも急に増えた
・出版・文化・情報など庶民の間にも形成された社会

幕末に来日した著名な外国人
ローレンス・オリファント、ペリー、オールコックなど日本の教育の広がりと、
知識の高さにそろって絶賛している。

では、
・庶民はいつから文字の読み書きができたのか
・庶民のための読み書き教育はどんな形態で内容は
寺子屋、師匠塚など克明な調査に基づいた資料を紹介しながら学習
・江戸時代の読み書き教科書
・江戸時代の庶民の文化活動について、実例をしめしながらの学習でした。

こんな中で興味ある話し

【寺子屋師匠の愚痴】や【ある民族学者の祖父の経験】の一部が映像と共に紹介され、
外国人の評判とは裏腹に、地方の庶民はなかなか読み書き習得は簡単でなく、効果が上がらなかったことの
実例をもとに紹介がありました。

学習の最後に、【明治期の識字力調査】【近代学校制度のはじまり】が延べられ、終講となりました。

参考:八鍬先生の主要著書(含共著)
   ・闘いを記憶する百姓たち
   ・識字と学びの社会学
   ・識字と読書