3/11伝承を活かす・学ぶ

講師紹介
佐藤 翔輔 (サトウ ショウスケ) 東北大学災害科学国際研究所准教授
略歴 平成23年3月 京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了
平成23年4月 東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター・助教
平成23年11月より現職
令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学科学者賞
地域安全学会年間優秀論文賞(2013年 2019年 2022年)等受賞

    著書
「わかる!取り組む!災害と防災」(帝国書院)
「楽しい調べ学習シリーズ 災害伝承の大研究」(PHP研究所)

 

 

今日の内容

・3.11前の災害伝承は?

・3.11以外の災害伝承は?

・これからの災害伝承は?

過去の津波

過去の津波を何で知ったのか?
「昭和三陸津波の情報源」                                  両親から聞いて96 祖父母から聞いて66 新聞・本・テレビ等のメディア等75
学校20 親戚17 友人・知人10 実際に経験5 地域の石碑4 その他7
知らなかった35
「明治三陸津波の情報源」                                       両親から50 祖父母から62 新聞・本・テレビ等98 学校26 親戚10 友人・知人8
地域の石碑4 その他8 知らなかった74
〇家庭での口承(3世代2親等が限界)
〇マスメディア(3世代を超えるイベント)
✖津波碑は直接でない

犠牲者ゼロの地域に着目した調査:慰霊祭の存在
・普代村太田名部地区ー昭和三陸での100名死亡
・洋野町八木地区ー昭和三陸津波で79名死亡
(防潮堤が無い)
佐藤翔輔・今村文彦(2017):東日本大震災における「津波による犠牲者」の地域を
対象にした探索的調査、地域安全学会

「えちごせきかわ大したもん蛇まつり」
・新潟県関川村
・毎年8月下旬開催、2019年で第32回
・1967年羽越水害から20年契機(1987~)
・関川村の大蛇伝説と交え、水害を伝承する                                                           (まつりの内容)                              ・大蛇パレード・犠牲者追悼の式・灯籠流し
・小・中学生による歌・紙芝居 etc
(大蛇について)
・大蛇の長さ82.8m(水害発生8月28日に由来)
・胴は竹とワラで、村の54集落が分担して作成
関川村:犠牲者ゼロ(おまつりの因果関係は調査中)

 

学校での対応:「釜石の奇跡」だけではない
「絶え間ない対話」に培われた臨機応援な対応
南三陸町立戸倉小学校長 麻生川敦氏                              山元町立中浜小学校長 井上剛氏                                語り部がもたらす心理・生理・記憶への影響評価実験               
語り部ー聞き手実験 ・聞き手への質問紙調査
ー生体反応(リアルタイム
ー心理変化(直後)
ー記憶量(直後、8ヶ月後)

災害の記憶の状態化と非固定化の両立の必要性
階上中2019年度~・鹿折中2020年度~被災対
を聞き取る

東日本大震災、階上地区

 

持続可能な災害伝承モデル(宮城県気仙沼市)

 

 

 

災害の記憶の状態化と非固定の両立の必要性
・東日本大震災での災害の記憶と被害の関係で見ると、少なくとも3種類
の地域が存在
1.過去の災害経験が後世に伝わったことで被害を軽減でききた地域
ー普代村太田名部、洋野町八木
2.過去の災害経験が後世に伝わったことで被害が拡大した地域
ー気仙沼市階上など
3.過去の災害経験が後世に伝わっていなかったことで被害が拡大した地域
ー名取市閖上など

宮城県大郷町中粕川 吉田川死者0人

大郷町の災害伝承・災害文化
加藤明美氏  ・大雨の度に浸水.毎回「切れる切れる」と思ってヒヤヒ
(中粕川)   ヤしてた.この辺の人はみんなそう.「どこかが切れる
(どこでも切れる)」と思っていた.
大郷町消防団 ・婿入りで中粕川に.義父母からアイオン台風の話を何度
団長    も聞く.8.5水害も経験。洪水の度に堤防を強化.つまり
鈴木安則氏   そうでないところが今度も切れる。

石川均氏   ・「あっちが切れたらこっちが切れない」「こっちが切れ
ダイスケ氏       たらあっちが切れない」
(三十丁)

あらためて「日本の風土」
・地域変動を繰り返す変動帯の上、環太平洋地震帯や火山帯に接しており、
地震や火山噴火が頻発している。温帯多雨地帯にあり、夏から秋にかけて
台風の進路に当たり、集中豪雨や台風にも何度も見舞われている。国土は
山地が多く、急峻で河川は急流である。狭い国土であるにも関わらず、人
口が多く、氾濫しやすい大河川の下流域に人々が密集している。(高田
1987)
・そもそも災害に見舞われやすい:自然現象(ハザード)が発生しやすく、
そこに生活環境が多く曝露している(エクスポージャーが多い)
・様々な自然の恵みを資源として生命をつないできた長い歴史がある.地形
の複雑さが四季の変化を生み、南からは貿易風、北からの季節風が吹き
過度な降雨もあり、気候は比較的温暖である.海域では、南からは暖流
が、北からは栄養が豊富な寒流が流れている.森や川から海に養分が供
給される.これらが山海の幸という恵みを生んでいる.(和辻、1979)

「自然環境のなかで」生活をしていたのではなく、「自然・自然環境と」
生活するという「共生」の考え方
災害共生文化/災害共生社会

 

 

 

 

 

 

 

 

※トルコ・シリア地震支援カンパ実績は122,626円でした。3月9日日本赤十字に寄託しました。
ご協力ありがとうございました。
※本日の出席者462名でした。