12/8 認知症の予防について
本日の学習会は3年前に講演された東北大学医学研究科 教授 辻 一郎 先生にご登場頂き「認知症の予防について」認知症とは何か!認知症の要因、認知症の予防策、認知症と付き合い方等を多くの症例データーで示し、実例を示しながら分かり易く解説され、会場全体が先生のお話に引き込まれる学習会になりました。 《講師の紹介》
昭和58年3月 東北大学医学部卒業
昭和59年4月~平成元年4月 東北大学医学部 助手
平成3年7月 ジョンズ・ホプキンズ大学に留学
平成5年4月~8年6月 東北大学医学部公衆衛生学講師~助教授
平成14年4月~現在 東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野 教授
1.認知症とは
様々な原因により、脳の神経細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたため、色々な症状が起こり生活する上で支障きたす状態。
原因:アルツハイマー,脳血管性、レビー小体、その他
症状 ①中核症状:脳の神経細胞の破壊➡知的機能の崩壊(記憶障害)
②周辺症状:精神症状や行動の異常(徘徊等)
2.認知症の要因
アルツハイマー型認知症が29%で生活習慣が要因になつている。
生活習慣:糖尿病、高血圧、肥満、運動不足、抑うつ,喫煙、低学歴
3.認知症の予防策
生活習慣病(高血圧・肥満・糖尿病・脂質異常等)の予防と治療。
禁煙、食習慣:地中海食・日本食、飲み物:緑茶・赤ワイン、運動習慣:特に有酸素運動、社会参加、趣味、頭を使う運動、歯科、口腔ケアを日常生活で実践しましょう
※認知症は高齢が進むと発症、予防策はその発症を如何に遅らせるか 認知症と如何に付き合って行くかを認識することが肝要です。
4.大崎市市民健康調査2006の分析について
※先生が調査・分析された健康調査を映像で理解し実践下さい。
5. 歯科・口腔のまとめ
①健全な心身は健全な歯に宿る➡動脈硬化・栄養・認知症・肺炎等
②残存歯数は認知症リスク・寿命の長さと関連➡歯を失っても、歯
磨きや歯科受診等で健康寿命を伸ばすことは可能です。
6.認知症予防とは、海馬を鍛えること
①字を書く:脳(特に海馬)への刺激が増す
②最近のことを思い出す:海馬の機能の活性化
③よく歩く:海馬への刺激を増す,大きくなる
④よく噛む:海馬への刺激が増す、大きくなる
7.認知症になった人との接し方
※その人を理解する・その人の不安に寄り添う(羞恥心を与えない)
①自尊心を傷つけない:否定や説得は禁物、尊敬ある態度
②本人のいる世界を理解し、それに合わせる
③相手の主張を受け入れる:先ず相手を認める
④傾聴し、こまめに声をかける、何を伝えたいかを考える
⑤本人の習慣や役割を続け、感謝の気持ちを伝える
⑥生活のリズムを守る:食事、睡眠と覚醒
認知症の皆さんとの接し方の実例をストリー風に紹介され,先生のお母さんと接する状況までお話され、会場は現実の問題と捉え、皆さん1時間半を傾聴し、大変貴重な内容のある学習会でした。
※学習会前にボランティア委員が歳末助け合い募金を行い27,338円の
ご協力頂きました。ありがとうございました。
本日の学習会 出席者 490名 でした。