7/9 高齢者の栄養学
本日は、東北大学大学院農学研究科栄養学分野准教授 大崎雄介先生から、高
齢者の栄養という演題で、栄養・食事の機能・栄養素・ビタミンB6・ビタミ
ンDそしてビタミンKについて、くわしく講演をいただきました。
講師紹介
東北大学大学院農学研究科栄養学分野准教授 大崎 雄介 先生
経歴
1997年3月 青森県立弘前高等学校 卒業
2001年3月 東北大学農学部応用生物化学科 卒業
2003年3月 東北大学大学院農学研究科
博士課程前期2年の課程 修了
2006年3月 東北大学大学院農学研究科
博士課程後期3年の課程 修了
2006年4月 味の素奨学会奨学生(大学院農学研究科)
2007年4月 東北大学病院 腎高血圧内分泌科 教育研究支援者
2009年5月 Medical College of Wisconsin ポストドクトラルフェロー
2012年9月 東北大学 大学院医学系研究科 統合腎不全医療寄附講座 助教
2018年4月 株式会社日本トリム MD(メディカルデバイス)室
2019年10月 東北大学大学院農学研究科 栄養学分野 助教
2022年4月 東北大学大学院農学研究科 栄養学分野 准教授
栄養と栄養素
栄養 生物が活動、成長、組織修復などの生命現象を営み、正常な生理状態を保つため、
食べ物から必要な物質を取り入れること。
栄養素 消化や吸収により生物に取り込まれ、体内で生命現象を遂行するため必要な物質。
体内で必要量を合成することができない物質。(一部のビタミン除く)
食事の機能
一次機能=栄養機能 生命維持に必要な栄養素の摂取
二次機能=感覚・嗜好機能 味覚・感覚により食事のおいしさを楽しむ
三次機能=生体調節機能 一次機能を超えて、生体の生理機能を調節
栄養素とは
・炭水化物 (砂糖、デンプンなど)→エネルギー源
・たんぱく質 (豚肉、牛肉など) →からだをつくる、からだの調子を整える
・脂質 (サラダ油、脂身など) →エネルギー源、からだをつくる ・ミネラル(亜鉛、鉄、リンなど) →からだをつくる、からだの調子を整える
・ビタミン(13種類) →からだの調子を整える
(食物繊維)
味 覚
味覚 体に必要なものを取り入れる・体に有害なものを入れない→門番の役割
基本味 甘味・塩味・酸味・苦味・うま味
うま味は日本人が発見 英語でもうま味
保健機能食品
特定保健用食品・機能性表示食品・栄養機能食品
栄養素の必要量の考え方
欠乏症 栄養素の摂取不足により起こる、臨床的症状。欠乏する栄養ごとに、
特有の症状を示す。栄養素の吸収阻害物質によっても起こりうる。
(現在の日本では、頻度は低い)
過剰症 栄養素を多量に摂取した場合にみられる異常、または不快な症状、副
作用。
ビタミンK
食品・生体に含まれるビタミンK ビタミンK1 植物由来
ビタミンK2 主に微生物由来
ビタミンKの発見 1929年 H.Damにより発見
ビタミンKの精製・単離 1939年 E.A.Doisy
- 解説
骨粗鬆症
・生活習慣病のひとつ。
・骨密度が低下し、易折性を示す。高齢者、特に閉経後の女性で発生しやすい。
・高齢者の血中ucOC濃度がビタミンKの摂取によって低下する。
→骨粗鬆症の治療・予防薬
食品・生体に含まれるビタミンK
・緑色野菜にはビタミンK1、発酵食品にはビタミンK2が多く含まれる。
(腸内細菌もビタミンK2を産生し、一部が宿主に利用される)
・肉や卵などの動物性食品には、ビタミンK2の一種であるメナキノン-4
(MK-4)も含まれる。
ビタミンKの欠乏症
・血液凝固不全
・骨粗鬆症(潜在的なビタミン欠乏症、
治療薬としてメナキノン-4が使用されている)
・腸内細菌に合成されるビタミンK2が宿主に吸収・利用されていることから、
重篤な欠乏症はまれ。
新生児:腸内細菌によるビタミンK2産生が少ない。
抗生剤の使用:腸内細菌によるビタミンK2産生の減少。
胆汁排泄障害:ビタミンK吸収が損なわれる。
まとめ(食事と栄養素)
・食事には様々な機能がある。(栄養素、味覚、生体機能調節)
・現代では顕著な欠乏症は稀だが、潜在的に不足している人は多い。
・年齢や体調、食事内容も栄養素の充足度に影響する。
本日の出席者は504名








